機械/病院/手術

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新麻酔器を導入しました!

当院では、このたび新しい高性能の麻酔器 Dräger Fabuis plus(ドレーゲル ファビウス プラス) を導入いたしました。

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この麻酔器は京都大学病院の小児手術室でも導入されており、身体が小さな患者(私たちでは犬や猫)で力を発揮します。

われわれの獣医療では、ヒトよりも身体の小さな動物たちに麻酔をかけることが ほとんどで、特に当院では高齢動物の子たちを多く治療しています。

この麻酔器の一番の特徴は、患者の肺の大きさや硬さ(内圧)を自動で判断し、その子に合わせて人工呼吸などのサポートを行なってくれるという点です。
例えば、1kgの子猫や2kgの小型犬と50kgの大型犬では全然肺の大きさが違いますし、同じ小型犬でも年齢や疾患によって肺の硬さ(内圧)が異なります。ですから、その違いを判断し、その子その子に合わせた全身麻酔をかける必要があります。

実際、この麻酔器を現在使用していますが、これまでよりも麻酔の導入や覚醒がスムーズだと感じますし、より一層全身麻酔の安全性を確保できると感じています。

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当院では開院して、これまで約10000件以上の全身麻酔を実施してきましたが、幸い全身麻酔中の死亡例はゼロです。(一般的な麻酔中死亡率:犬0.17%、猫0.24% <Brodbelt et al.,2008>)

今後もさらに安全な麻酔器を使用し、術前検査をしっかりと行い、術前の麻酔計画をしっかり立て、症例に合わせた麻酔薬を使用し、周術期のペインコントロール十分に実施し、麻酔中のモニターをこれまで以上にしっかりみることで、この “麻酔中死亡率ゼロ” を維持したいと思います。

院長 萩森

かもがわ動物クリニック