内分泌疾患/病気

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クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)について①

獣医師の梶村です。
今回はクッシング症候群というホルモンの病気について説明します。 

クッシング症候群とはコルチゾール過剰による多彩かつ特徴的な臨床兆候と定義されています。
コルチゾールとは副腎皮質で産生されるステロイドホルモンの一つです。
症状としては多飲多尿、多色、腹部膨満、 筋肉の萎縮、脱毛、皮膚の菲薄化など様々です。
正常なコルチゾール産生の経路としては以下のようになります。

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様々な刺激が脳の視床下部からコルチコトロピン放出因子(CRF)分泌を促し、これを受けて下垂体から副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)が分泌されます。
副腎はACTHの刺激を受けてコルチゾールを放出します。
そしてコルチゾール分泌を受けて、視床下部、下垂体では、コルチゾールがこれ以上分泌されないように、CRF、ACTHの分泌を抑制します。(ネガティブフィードバック)


クッシング症候群にはその発生機序により、脳下垂体の腫瘍、副腎皮質の腫瘍、医原性の3つのタイプに分かれます。 

⑴脳下垂体腫瘍によるクッシング症候群
脳下垂体の腫瘍によって副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)が持続的に過剰分泌されることによる自然発生のクッシング症候群です。
下垂体腫瘍の多くは良性で、自然発生のクッシング症候群のうち、80〜85%を占めています。

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下垂体の腫瘍によりACTHの分泌が過剰になり、両副腎が腫大し、コルチゾールが過剰に分泌されます。

⑵副腎皮質腫瘍によるクッシング症候群
自然発生のクッシング症候群の15〜20%がこの副腎皮質の腫瘍で、そのうちの半分が悪性の腺癌で、半分が良性の腺腫です。

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副腎の腫瘍により自立性にコルチゾールが過剰分泌されます。
通常病変は片側性に腫大します。
エコー検査では以下のように見えます。

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下垂体へのネガティブフィードバックによりACTH分泌が低下するため、逆側の副腎は萎縮します。

⑶医原性クッシング症候群
ステロイド薬を長期にわたり投薬した結果起こります。
ステロイド入りの外耳炎治療薬を1日に何回も点耳し続けることでも起こりえます。

自身の体内では下垂体にネガティブフィードバックがかかった状態になり、ACTHの分泌が抑制されます。よって両副腎は萎縮します。
この状態でステロイド薬を完全に止めてしまうと、副腎皮質機能低下症になります。

以上のように、クッシング症候群には3つのタイプがあります。
これらは治療の方法も異なるので、治療の前にこの3つの鑑別が必要となります。
次回にクッシング症候群の検査、治療について説明します。

獣医師 梶村


かもがわ動物クリニック

 

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