内分泌疾患/病気

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クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)について②

獣医師の梶村です。
前回はクッシング症候群の病態について説明しました。

クッシング症候群の診断には症状、身体検査、尿検査、血液検査、エコー検査などを行いますが、今回は診断のための特殊検査について説明します。

⑴ACTH刺激試験
採血して、コルチゾール濃度を測定します。
その後、合成ACTHを投与することで、1時間後のコルチゾール濃度を測定します。

左の画像がACTH刺激試験の簡易図で、右の画像がコルチゾール産生経路です。

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医原性クッシング症候群で副腎が萎縮している場合、コルチゾールは変化しません。
クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)の場合、コルチゾールは過剰に増加します。
この試験で正常からグレーゾーンが出た場合、低用量デキサメタゾン抑制試験を行います。

⑵ 低用量デキサメタゾン抑制試験
デキサメタゾンはステロイドの一つですが、コルチゾール量にはほとんど影響しません。

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正常な動物ではデキサメタゾンを投与することで、ネガティブフィードバックがかかり、血中コルチゾール濃度は下がります。

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下垂体性クッシング症候群の場合、デキサメタゾンではネガティブフィードバックが起こらないので、血中コルチゾールの量は変わらないか、もしくは軽いネガティブフィードバックがかかり4時間後には血中コルチゾールが下がるが、結局8時間後には上昇します。

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副腎腫瘍性の場合は下垂体に無関係にコルチゾール分泌が起こるので、デキサメタゾンを投与しても血中コルチゾールの量は変わりません。

⑶ 高用量デキサメタゾン試験
これは⑴のACTH刺激試験でクッシング症候群が疑われる場合、下垂体性か副腎性かを鑑別するために行う検査です。
⑵の低用量デキサメタゾン試験と原理は同じですが、より高用量を用いることで下垂体性のクッシング症候群であっても、ネガティブフィードバックがかかり血中コルチゾール濃度が下がることがあります。
一方副腎性のクッシング症候群ではコルチゾール濃度は変わらないので、この違いによって鑑別します。

⑷内因性ACTH血中濃度測定
下垂体性のクッシング症候群の場合はACTH濃度は高くなり、副腎性のクッシング症候群の場合はACTH濃度が低くなります。 

次回、クッシング症候群の治療について説明します。 

獣医師 梶村


かもがわ動物クリニック

 

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