内分泌疾患/泌尿生殖器疾患

内分泌疾患/泌尿生殖器疾患

多飲多尿の鑑別診断 後編

獣医師の梶村です。
前回に引き続き、多飲多尿で注意しなければならない病気を簡潔に説明します。

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(1)慢性腎臓病
(2)腎盂腎炎
(3)子宮蓄膿症
(4)肝不全
(5)糖尿病

(6)副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
(7)副腎皮質機能低下症(アジソン病)
(8)猫の甲状腺機能亢進症
(9)原発性アルドステロン症
(10)高カルシウム血症
(11)尿崩症
(12)医原性(グルココルチコイド投与)
(13)心因性多飲

(6)副腎皮質機能更新症(クッシング症候群)
この病気に関しては、以前詳しく説明していますので、そちらをご覧ください。

http://kamogawa-ac.blog.jp/archives/7627031.html

http://kamogawa-ac.blog.jp/archives/7631802.html

http://kamogawa-ac.blog.jp/archives/7632057.html

(7)副腎皮質機能低下症(アジソン病)
アジソン病はクッシング症候群と逆で、副腎皮質から分泌されるステロイドホルモン(グルココルチコイドとミネラルコルチコイド)が不足することで起こります。
ステロイドホルモンの不足により、多飲多尿、虚弱、体重減少、食欲不振、嘔吐、吐出、下痢、血便、徐脈、低体温、痙攣、震えなど、様々な症状を引き起こします。

診断は症状と血液検査にて、行います。
治療はステロイドホルモンを使用します。

(8)猫の甲状腺機能亢進症
この病気は高齢の猫で見られます。
甲状腺が過形成、もしくは腫瘍化することで、甲状腺ホルモンを過剰分泌することで症状が現れます。

症状としては
食欲旺盛だが体重が減少する。
攻撃性が増加する。落ち着きがなくなる。
慢性の下痢や嘔吐が見られる。
頻脈、心肥大が見られる。
などがあります。

治療は抗甲状腺薬、食事療法、外科的治療があります。

(9)原発性アルドステロン症
副腎腫瘍がアルドステロンを過剰に分泌することにより起こります。
犬猫ともに稀な病気です 。

症状としては多飲多尿、高血圧、眼底出血、中枢神経症状、心血管障害などが起こります。
低K血症と副腎の腫大が診断のきっかけになることが多いです。

治療は腫瘍の外科的切除や、内服薬を投与します。

(10)高カルシウム血症
高カルシウム血症は腎臓の尿濃縮能を低下させることで、多飲多尿となります。
軽度の高カルシウム血症は無症状ですが、重度になると多飲多尿、興奮、震え、過敏、嘔吐、食欲不振などが出てきます。
重度の高カルシウム血症が持続することで、腎不全にもなります。

高カルシウム血症となる原因は様々です。
原発性上皮小体機能亢進症、悪性腫瘍、ビタミンD中毒、腎性続発性上皮小体機能亢進症、副腎皮質機能低下症、猫の特発性高カルシウム血症、成長期などがあります。

治療は原因となっている病気を治すことです。
支持療法として、皮下点滴、利尿剤、グルココルチコイドなどがあります。

(11)尿崩症
中枢性尿崩症は抗利尿ホルモン(バソプレシン)が何らかの原因で合成、分泌できなくなることで多飲多尿を引き起こします。
原因は頭部への外傷、視床下部や下垂体の腫瘍が多いですが、原因が分からない場合もあります。
治療はホルモンを補充します。

腎性尿崩症は、腎臓の抗利尿ホルモン(バソプレシン)に対する反応が低下することで起こります。
原因は慢性腎臓病、糖尿病、クッシング症候群、甲状腺機能亢進症が多いです。
治療はそれぞれの原因疾患を治療することです。
(12)医原性(グルココルチコイド投与)
グルココルチコイドの副作用として、多飲多尿が見られます。

(13)心因性多飲
比較的若い犬で見られ、多飲により多尿が起こります。
他の多飲多尿の原因を除外することで、診断します。
原因は不明ですが、ストレスが関与していると考えられており、腎臓機能や内分泌機能は異常がありません。
前回と今回で多飲多尿の原因について説明しました。
この症状は比較的気付きやすいと思うので、怪しいなと思ったら、まず飲水量を測って見てください。
また尿検査も非常に有効ですので、病院におしっこを持って来てください。

獣医師 梶村


かもがわ動物クリニック

 

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