本日の一症例

足をあげる、歩けない

整形外科(骨・関節の病気)

膝蓋骨内方脱臼(グレード3)

動物
種類 トイ・プードル
性別 メス
年齢 8ヶ月齢
地域 京都市北区
症状/病態 足をあげる(びっこを引く)、抱き上げるとキャンと鳴く
考えられる病気 関節脱臼(膝蓋骨脱臼、股関節脱臼など)、骨折、 靭帯損傷(前十字靭帯断裂など) 、関節炎 、外傷、 肢間炎(足裏皮膚炎)、 異物がささっている 、その他

診断

左後肢をあげていて、膝関節の触診時に痛みがあった。また、左後肢の膝蓋骨が内方に脱臼していた。

レントゲン検査では、股関節は正常、前十字靭帯や骨折なども見られず、膝蓋骨(膝のさら)が内方に脱臼している所見のみであった。

 

膝蓋骨脱臼のグレード3による跛行(はこう)と診断した。

治療

安静と痛み止めなどで一時的には改善したが、何度も症状が再発したため、最終的に外科手術による整復することとなった。

手術内容(下記の術式を組み合わせた)

・関節包縫縮術(関節包や膝蓋骨に付着する靭帯を縫い合わせる)

・縫工筋前部(膝蓋骨を内方へ引っ張っている筋肉の一部)を切断

・滑車造溝術(膝蓋骨が滑る溝を深くする)

術前の滑車溝(浅い)

 

 

 

 

 

 

 

術後の滑車溝(深い)

 

 

 

 

 

 

 

術後のレントゲン(膝蓋骨が正常の位置に整復されている)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

術後の経過は良好で、退院後から走り回るようになりました。

 

診断名

膝蓋骨(パテラ)脱臼