ニキビダニ(毛包虫、アカラス)症
病態
犬のニキビダニ(毛包虫、アカラス)症は常在寄生虫であるニキビダニが過剰に増殖して生じます。
ニキビダニ症の発症には遺伝的な免疫学的異常や、基礎疾患や薬などの何らかの免疫抑制状態が関与していると考えられています。具体的には栄養不良、衰弱、加齢による皮膚機能の低下、発情、妊娠出産、感染症(内部寄生虫、ウイルスなど)、内分泌疾患(甲状腺疾患、副腎疾患、糖尿病など)、腫瘍、薬物投与(化学療法、ステロイド剤、免疫抑制剤など)などがニキビダニ症の増悪因子として考えられています。
症状
主に頭部や四肢での、脱毛、丘疹、フケ、色素沈着や、二次的な細菌感染による痒み、排膿などが起こります。
診断
通常、抜毛検査、皮膚掻爬検査により、ニキビダニを検出することで診断します。
治療
イベルメクチンやドラメクチンなどの全身療法や、硫黄サリチル酸シャンプー、過酸化ベンゾイルシャンプーなどの外用療法があります。
またブラベクト錠、ネクスガード、ネクスガードスペクトラなどの予防薬もニキビダニに有効なことがあります。