病気紹介

犬の出産について

出産

犬は安産の象徴ですが、実際には必ずしも安産というわけではなく、難産になる確率も十分にあります。小型犬は難産になりやすく、特にチワワやパグなど頭が大きい犬種では帝王切開が必要になる事もあります。

出産の流れ

正常な分娩では以下の3つのステージの順に進みます。

第Ⅰ期(開口期)

破水が起こる前の段階です。体温が低下し、6〜12時間程続きます。

落ち着きがなくなり、ハァハァと息をすることがあります。

第Ⅱ期(娩出期)

破水が起こり、胎児が産道に降りてきます。

第Ⅲ期(後産期)

分娩と分娩の休息期です。

難産への対応

陣痛が起こりはじめて120分経過しても胎児が娩出されない、破水して90分経っても娩出されないなど、難産の可能性がある場合、まずは膣に指を挿入して触診します。

子宮頸管部を開口させるために指でフェザーリング処置を実施し、産道を刺激し、陣痛を促進します。

また胎児が産道を通過できる大きさであれば、陣痛促進薬のオキシトシンを筋肉内注射します。

これらの助産でも、胎児が娩出されなければ、帝王切開に踏み切ります。

 

出産は神秘的で感動的な瞬間ですが、妊娠、出産を考えている方は、妊娠や出産についてよく勉強して、理解し、落ち着いて対処できるようにならなければいけません。

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