眼科疾患
目の検査方法
こんにちは、獣医師の吉田です
先日、目の充血に関する記事を書かせていただきましたが、
今日は実際に行う目の検査について紹介します。
主な検査は大きく5つです。
・スリットランプによる観察
・フルオレセイン染色
・涙の量の測定
・眼圧の測定
・眼底検査
スリットランプによる観察
下の「スリットランプ」と呼ばれる機械を使って目の表面と内部を観察します。
スリットランプからはこのように細い光を出すことができます。
この細い光を目に当ててみることにより、角膜や水晶体といった各構造を観察することができます。
角膜に穴があいていないか、水晶体など透明であるべき部分が濁っていないかなどを確認します
フルオレセイン染色
目の表面に傷がある可能性のある時は、
特殊な染料を目に入れることで傷の有無を調べます。
上の紙のオレンジの部分を目に触れさせると、
角膜に傷のある部分は黄色く染まります。
涙液量の測定
目の表面は涙によって細菌などの刺激から守られています。
涙の減少は乾性角結膜炎(ドライアイ)を招きます。
下のような細い紙を目に挟んで1分間じっと我慢してもらうと、
正常のわんちゃんでは青い色素が涙で滲み、目盛の15〜25程度まで紙が青く染まります。
眼圧の測定
目の内部は眼房水と呼ばれる液体で満たされており、眼房水により眼圧が保たれています。
下の写真のように眼圧計を目の表面に優しくチョンチョンと押さえることで眼圧を測定します。
眼房水の排出障害により眼圧が上がる緑内障や、
炎症により眼圧が下がるぶどう膜炎の診断に役立ちます。
眼底検査
眼底とは眼球の一番奥にある矢印の部分です。
目に入った光を電気刺激に変換する網膜や、それを集め視神経に伝える視神経乳頭、
そして多くの血管が存在します。
目に光を当てながら眼底鏡というレンズを目にかざすことで眼底を観察することができます。
網膜の疾患や、高血圧などをチェックします。
ご紹介させていただいたように、
目の異常は肉眼で診断することが難しいため、特殊な器具を使う検査がほとんどです。
目がしょぼしょぼする、赤いなどの異常を見つけた際はお早めに病院で検査を受けましょう
獣医師 吉田