ブログ/病気や予防/腫瘍(ガン)
2024年最後の日
皆様、お久しぶりです!
愛玩動物看護師の浅居です🐾
今回は、少し長くなりますが愛猫あずきについてお話しさせていただこうと思います。
実は、あずきは2024年12月31日に虹の橋を渡りました🌈

話は少し遡り、2024年8月CT検査にて喉頭に腫瘍が見つかりました。
実は、その年の3月頃から呼吸音がスースーなる時があり、画像検査していましたが異常は見つからず、鼻汁や目ヤニが出た時に効く薬を霧状にして気管などに届けるネブライザーをし、様子を見ていました。
8月1日に血尿があり、先生に診察していただくため連れてきていましたが緊張で興奮してしまい、その時に開口呼吸という口を開けて苦しそうにする呼吸状態になってしまい、すぐレントゲン検査を行いました。
すると、喉あたりに影が見つかり詳しく見るために次の日に無麻酔CT検査を行うことになりました。
\無麻酔CTの様子/

この時には、春に比べると呼吸音が大きくなっておりそれも一緒にみてもらうつもりでした。
元気は変わらずありました🐈⬛
次の日の無麻酔CT検査で、喉頭にできものがありリンパ節の腫れも見つかりました。。。
その結果が出てから痛み止めのお薬を始め、その次の週には麻酔をかけてのCT検査、腫瘤の種類を特定するための切除生検、減容積を行いました。
・切除生検とは、病変を切り取り病理診断で腫瘍の種類を診断するために行うものです。
・減容積とは、腫瘍の体積を減らすために行うものです。
減容積の後は、呼吸音が少なくなり、あずき本人も呼吸が楽になったように少し落ちていた食欲も戻りました。
そして数日後、病理検査の結果、"腺癌"と診断されました。
腺癌は悪性の腫瘍で、それがリンパ節に転移しているのも確認されました。
治療の選択肢として、外科手術による喉の全摘出や永久気管という気管に穴を開けて呼吸を楽にさせる方法か、緩和治療として痛み止めと分子標的薬を使う治療がありました。
・分子標的薬とは、がん細胞など特定の細胞のみに作用するお薬のことです。
いわゆる抗がん剤は、全身の細胞に影響があり、がん細胞以外の正常細胞にも作用するので作用機序が違うお薬になります。
私たち家族は話し合った結果、薬を使う緩和治療を選択しました。


食欲が無くなったり、口からご飯を食べれなくなった時をふまえて胃瘻チューブも入れてそこから栄養も取れるようにしていました。
\胃瘻チューブ/
お腹からチューブを入れて直接胃まで繋がっています

チューブが入ってからもあずきの食欲はあまり落ちることはなく、口からご飯を食べてくれていました🍚
食道が細くなっていることもあり、一回の量は少しずつでしたがドライフードはふやかし、大好きなチュールは変わらず良く食べていました。チューブからも高栄養の液体ご飯を少しずつあげていました。
分子標的薬を始めてからは、2週間に1度のペースで血液検査で内臓の数値を調べながら通院していました。
定期的な採血にも慣れてきていつも頑張ってくれていました💉✨

胃瘻チューブが入ってから2ヶ月弱経ち、チューブの挿入部をよく気にするようになっていました。消毒はしていましたが、チューブを支える留め具をちぎるようになってしまい上手く管理ができずチューブは抜くことになってしまいました…
チューブからの食事は出来なくなりましたが、この頃もあずきの食欲は変わらず口から食べてくれていました!

しかし、やはり十分な栄養をとることは難しく少しずつ体重は減っていき、お家で点滴もしていました。
そこからもあずきはちゅーるやペースト状のものを食べれる時に食べていて、食欲がすごく落ちることもなく過ごしていました。
この頃は寒くなってきていたので、きなこと一緒にベッドで寝ていることが多く、それがとても可愛かったのでいくつかお写真載せさせていただきます🐈⬛🐈💕




クリスマスも一緒に過ごし、年明けに再診を予定しておりました。

2024年12月31日夕方、父からあずきが倒れたと連絡があり、実家にいなかった私はすぐに駆けつけました。
駆けつけた時には、あずきは息を引き取っていました。
姿を見ると涙が溢れ出し、まだ温かい身体を撫でながら、家族みんなであずきを囲み、たくさんありがとうと大好きを伝えました。
私が最後に会ったのはその2日前の朝で、その時もだいすきなちゅーるをあげると食べてくれていました。

その日も家族からはご飯食べてると聞いていたので突然のことでした。
病気が発覚した時は大変ショックでしたが、あずきに出来ることを精一杯やろうと家族とも話し、あずきもとっても頑張ってくれていました。
いつかはこの日が来るのを分かっていながらもあずきがいなくなってしまうことはやはり想像できず、どこかでまだまだ一緒にいれると思っていました。
大晦日で家族みんなが集まれる日だったのでそれをあずきが選んだんだねと話し、数日はお家で一緒に過ごし火葬を行いました。


その際、しっぽの小さな骨を遺骨カプセルというものに入れ、骨壷とは別に今も常に持ち歩いており、そばにいてくれるような気がします🐈⬛

優しくいつも穏やかで、診察の時も怒らずとてもお利口さんで、スタッフのみんなにもとても可愛がってもらいました。あずきも嬉しかったと思います。
お世話になった先生方はもちろん、協力してくれたスタッフのみんなにも大変感謝しております。
最後に、あずきとの出会いも少しお話しさせてください。
私が中学3年生の時、学級だよりに担任の先生が「猫ちゃん拾いました」と載せていたのが子猫のあずきでした。
その先生は既に数匹猫ちゃんを飼っており、道に迷っていた子猫を拾われて、引き取り手を探されていました。
家に帰って家族とも話し、そこから引き取る事になったのです。
\あずきとその一年後にきなこをお迎えした頃/

あずきの火葬の前日にはその先生にも連絡し、ご無沙汰でしたがすぐに電話くれて、あずきも家族みんなも頑張ったねと仰ってくれました。
出会わせてくれた先生にも感謝です。
もう少しで一年が経ちますが、あの日のことを忘れたことはありません。
これからもずっと大好きです。
いつかまた会える日を楽しみにしています。

当院には、腫瘍科認定医が在籍しており、あずきもその先生に治療していただきました。
がんは、わんちゃんねこちゃんもかかりうる病気でトップの死因の一つにもなっています。
がんの種類や症状も様々で、ご家族はご不安なことご不明なことたくさん出てくるかと思います。
その子にとっての最善を、私も愛玩動物看護師として一緒に考え最善を尽くしたいと思いますので、些細なことでもお気軽にご相談下さい。
愛玩動物看護師
浅居

