急性肝障害(急性肝炎・中毒性肝障害など)

「血液検査でGPT(ALT)が高いと言われた」、
「黄疸の数値が上昇している」「肝臓のサイズが大きくなっている」、、、
検査で上記のようなコメントを獣医さんに言われたことはありませんか?
これらは、肝臓に異常が発生しているサインの一つかもしれません。
肝臓の数値の上昇には様々な原因がありますが、その原因の一つが急性肝障害です。
今回のブログでは、急性肝障害についてお話しさせていただきます。
病態
急性肝障害は、数日〜数週間という短期間で肝臓に強いダメージが発生してしまう状態です。
原因は、
・感染症
・化学物質や薬品などによる中毒
・免疫の異常
などが一般的ですが、原因が不明の場合も少なくありません。
肝臓は「解毒」「栄養の代謝」「血液を固める成分の産生」など、
体にとってとても重要な働きをしています。そのため、急激に肝臓がダメージを
受けると全身にさまざまな影響が出ます。
症状
急性に以下の症状が出た場合には、急性肝障害の可能性があります。
・元気がない
・食欲が低下している
・嘔吐や下痢
進行すると
・黄疸している(目や歯ぐきが黄色い)
・お腹を痛がる
・出血しやすい、血が止まりにくい
・意識障害、痙攣発作など
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、初期は無症状で進行していくことも多いため肝臓の異常値や
画像での異常が認められた場合には早めの精査をおすすめします。
診断
①血液検査
・肝酵素(GPT(ALT)、GOT(AST))の上昇
・ビリルビン(TBil)の上昇
・血液凝固検査(PT、APTT、Fib)の異常
肝酵素についての詳しい説明はこちらをご覧ください!
②画像検査
・レントゲン検査
・腹部超音波検査
→肝臓や胆嚢の炎症や腫瘍の有無などを確認します。
③感染症検査
遺伝子検査によって感染症が存在しないか調べます。
④肝生検
肝臓の一部を採取し、病理検査にて評価することで肝臓の病態を把握します。
治療
治療のほとんどは症状に対する支持的な治療が中心となりますが、原因が明らかな場合にはあわせて
根本治療を実施します。
原因が明らかな場合
・細菌感染 → 抗菌薬
・中毒 → 原因物質の除去・解毒治療
対症療法
・点滴(脱水や電解質の調整)
・肝臓を保護する薬(SAMeなど)
・ビタミンK(出血傾向がある場合)
・肝性脳症の治療(必要時)
今回は急性に症状が現れる急性肝障害についてお話しさせていただきましたが、肝数値が
上昇する原因は他にも多くあります。肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ初期は無症状で進行して
いくことも多いため、血液検査で異常が見られた場合は早めに精密検査、治療に進みましょう。
GPT(ALT)やGOT(AST)、ALPやTBilなどの肝数値の上昇で悩まれている方は当院まで
一度ご相談ください。

