病気紹介

猫の消化管好酸球性硬化性線維増殖症(GESF)

猫の消化管好酸球性硬化性線維増殖症(Gastrointestinal Eosinophilic Sclerosing Fibroplasia: GESF)は、胃や腸の壁に「好酸球」という免疫細胞が集まり、激しい炎症が起きることで、組織が硬くなってしまう病気です。以前は「リンパ腫」や「腺癌」などの消化管腫瘍(ガン)と見間違われることも多かったのですが、現在は腫瘍とは異なる「炎症性の疾患」として区別されています。

 

症状

一般的には以下の症状が認められます。

• 慢性的な嘔吐

• 食欲不振と体重減少

• 下痢または便秘

• 腹部のしこり

この病気はゆっくり進行することが多いため、初期段階では気づきにくいのが特徴です。進行すると腸閉塞(食べ物が詰まる状態)を引き起こし、命に関わることもあります。

 

原因

はっきりとした原因はまだ完全には解明されていませんが、最新の研究では以下の要因が関与していると考えられています。

• 異常な免疫反応: 本来は寄生虫やアレルギーから体を守る「好酸球」が、何らかの理由で暴走し、自分の消化管を攻撃してしまう状態です。

• 遺伝的・体質的要因: どんな猫種でも起こりますが、ラグドールなどの特定品種で比較的多く見られる傾向があります。

• 細菌や寄生虫の関与: 一部の症例では、細菌感染などが引き金となって過剰な炎症反応が起きている可能性も指摘されています。

 

治療

GESFは「一度お薬を飲めば完治する」という病気ではなく、長期的な管理が必要になることが一般的です。

1. 内科的治療(投薬): 過剰な免疫を抑えるために、ステロイド剤(プレドニゾロン等)や免疫抑制剤を使用します。これが治療の柱となります。

2. 外科的治療(手術): しこりが大きすぎて腸が詰まっている場合や、診断のために組織を採る必要がある場合は、手術で病変部を摘出することがあります。

3. 食事療法: 食物アレルギーが炎症を悪化させている可能性があるため、低アレルゲンフードへの切り替えを併用することが多いです。

 

 

 

GESFは、適切な診断と早期の治療開始によって、良好な状態を長く維持できるケースも増えています。しかし、一見すると「ただの胃腸炎」や「毛球症」に見えてしまうため、発見が遅れてしまうことも少なくありません。

「最近、吐く回数が増えたかな?」「少し痩せてきたかも……」と少しでも異変を感じたら、まずは当院へご相談ください。大切な家族である猫ちゃんが、一日でも長く健やかに過ごせるよう、一緒にサポートさせてください。