猫喘息

病態
猫の喘息とは、気道狭窄と気道過敏症によって呼吸困難を呈する慢性炎症性疾患です。
Ⅰ型アレルギーの関与が示されており、数分以内に発現する「即時相」と、2~4時間後に発現する「遅発相」に分けられます。
即時相ではアレルギーに関与する肥満細胞の脱顆粒によって、気道収縮が起こり呼吸困難となります。
さらに遅発相では気道に集まってきた炎症細胞の働きによって、気道の肥厚や線維化、粘液分泌の増加などが起こり、症状を悪化させます。
喘息を引き起こす要因としては、ダニや花粉などの環境アレルゲン、食物中に含まれるアレルゲン、大気汚染物質(タバコや香水など)、ストレスなどがあげられます。
診断
症状として、咳、くしゃみ、鼻汁、呼気相の努力性呼吸、頻呼吸、チアノーゼなどが見られます。
これらは必ずしも喘息に限って見られる症状ではないため、似たような症状を示す疾患(慢性気管支炎、心臓疾患、肺炎、肺腫瘍など)を除外する必要があります。
そのために血液検査、レントゲンや超音波検査、PCRによる感染症の検査などを行います。
さらに、麻酔下でにCT検査や気管支鏡検査を行うことでより詳細な診断が可能となります。
治療
重度の呼吸困難を呈している場合、まず酸素吸入により呼吸を安定化させることを最優先とします。
喘息の治療にはステロイドの注射及び内服、気管支拡張剤、咳止めなどを用います。
またネブライザーという吸入の治療も有効です。
猫喘息は呼吸困難を呈するため、命に関わる救急疾患です。
咳が出る、呼吸が苦しそうといった症状が見られる場合は速やかに病院へご相談ください。