ホルネル症候群(交感神経障害)

● 病態
ホルネル症候群(Horner’s Syndrome)は、まぶたや瞳孔、瞬膜(第三のまぶた)などの動きに関わる「交感神経」に障害が起こることで、眼やその周りに現れるさまざまな症状の集まりをいいます。
この神経は脳から脊髄、胸や首、耳を通って目に至る長いルートを通っており、どこかで障害が起こると発症する可能性があります。
障害の部位によって、次の3つに分類されます:
- 一次性(中枢性):脳や脊椎の病変
- 二次性(節前性):上腕神経叢や頸部の病変
- 三次性(節後性):中耳や眼窩の病変
に分けられます。
原因は外傷、頸部の手術、耳の炎症、腫瘍、首輪による圧迫など、さまざまです。
● 症状
ホルネル症候群になると、次のような特徴的な眼の変化が急に起こる事があります。
- 眼瞼下垂:上まぶたが垂れ下がり、目が小さく見える
- 縮瞳:瞳孔が小さくなる
- 眼球陥没:眼球が奥に引っ込んだように見える
- 瞬膜突出:第三のまぶた(瞬膜)が目立つようになる
● 診断
ホルネル症候群の診断は、症状と神経学的検査によって行われます。
さらに、原因を特定するために以下のような検査が必要になることがあります。
- 耳の検査:外耳炎や中耳炎の有無を確認
- 眼科検査:他の眼科疾患の除外、交感神経を刺激する点眼薬を用いて瞳孔の反応で一次性~三次性の診断
- 画像検査:レントゲン、CT、MRI検査にて脳や頸部疾患の診断
原因が特定できない特発性のケースも少なくなく、その場合は経過観察となることもあります。
● 治療
治療は原因によって異なります。
- 中耳炎・内耳炎など → 抗生剤や抗炎症薬による治療
- 外傷 → 安静と対症療法
- 腫瘍 → 手術や内科治療など
- 原因不明(突発性) → 自然に回復することもあります
ホルネル症候群そのものに対する特効薬はありませんが、見た目の異常だけで日常生活に大きな支障がない場合、必要に応じて点眼薬で対症療法を行いながら経過を見る場合もあります。
「片目だけまぶたが下がっている」「目の開き方がなんだか違う」…そんな小さな違和感でも、ご相談ください。早期発見が安心につながります。

