病気紹介

上皮小体機能低下症

病態

上皮小体(副甲状腺)とは甲状腺の周囲に4つ(左右2ずつ)存在する臓器で、体内のカルシウム濃度を調節するホルモン(PHT)を分泌しています。

上皮小体機能低下症とは上皮小体からのホルモン分泌が低下する疾患であり、低カルシウム血症(カルシウム濃度 8.0mg/dL未満、イオン化カルシウム1.0mmol/L未満が目安)と高リン血症を主徴します。

犬では若~中齢で発生が多く、猫では自然発生は稀であるといわれています。

 

症状

低カルシウム血症による症状が現れ

元気消失、食欲低下、筋肉痙攣・震え、落ち着かない、過敏反応、痙攣発作、強直歩様など様々な症状を呈することがあります。

初期症状は間欠的ですが、次第に悪化し持続的にみられるようになります。

 

診断

血液検査にて低カルシウム血症・高リン血症がみられ、低カルシウムにも関わらず上皮小体ホルモン(PTH)が低値~正常値であれば上皮小体機能低下症と診断します。

また他に低カルシウムを呈する他の疾患(急性膵炎、急性・慢性腎障害、タンパク漏出性腸症、周産期、敗血症、ビタミンD不足など)が無いことを同時に確認します。

治療

重度の低カルシウム血症を呈しており、食欲廃絶など症状が重い場合は入院治療が必要になることがあります。治療はカルシウム製剤を静脈から投与し血中カルシウム濃度を補正していきます。

自宅での投薬治療が可能になったら維持治療をしていきます。サプリメント、経口カルシウム製剤、ビタミンD製剤の投与を行い症状の有無や血中カルシウム濃度をモニタリングしていきます。