悪液質

悪液質とは何らかの慢性疾患によって、筋肉や脂肪の低下を伴った体重減少がみられる代謝異常状態のことです。
単なる栄養不足による削痩ではなく全身性の炎症や代謝異常が関与しているため、栄養補給だけでは改善しないことが多いです。
加齢による代謝活性や活動性低下による筋肉量減少をサルコペニアといい、悪液質とは異なります。
原因
悪液質は他の疾患により引き起こされる“二次的病態”であり、以下のような原因が挙げられます。
・悪性腫瘍
・慢性心不全(弁膜症、心筋症など)
・慢性腎臓病
・慢性肝疾患(肝炎、肝硬変など)
・慢性消化器疾患(炎症性腸疾患、膵外分泌不全など)
・免疫介在性疾患(全身性エリテマトーデスなど)
これらの原因疾患により食餌量低下や栄養吸収障害、炎症性サイトカインの放出、筋タンパク質分解促進、基礎代謝亢進などが引き起こされます。
症状
エネルギー消費の増加と摂取不足のギャップが生じて筋肉量低下を主とした体重減少が症状としてみられます。
筋肉量の著しい低下により更なる状態悪化を助長するため、原因疾患の治療の障害となります。
診断
原因疾患が特定していなければ全身をスクリーニングします。
問診や触診から始まり、血液検査や尿検査、レントゲン検査、エコー検査、CT検査など各種検査を必要に応じて行います。
治療
原因疾患の治療が第一です。
状況に応じて、QOLの維持・向上や症状の緩和を目的に以下の補助治療を追加します。
①栄養療法
・高カロリー・高タンパクの食事(療法食)
・経鼻カテーテル、食道チューブ、胃ろうチューブなどの設置
・オメガ3、オメガ6などの不飽和脂肪酸の摂取(療法食、サプリ)
②薬物療法
・食欲増進剤
・ステロイド(抗炎症、食欲増進を目的として)
③適度な運動、リハビリ
悪液質は命に関わるような重大な疾患が原因となることが多く、発見が遅れるほどコントロールが難しくなる状態です。
定期的に病院で体重をはかっていれば体重の異常に気付くことができますが、しばらく体重をはかっていない場合はご自宅でも定期的にはかってあげてください。
わんちゃん、ねこちゃんが何か元気がなく食欲もない、食事量は変わらないのになんだが痩せてきた、足が細くなってきた、など何か思い当たることがあれば、ぜひ当院にご相談ください。
当院では、獣医腫瘍科認定医による腫瘍科専門外来を行なっております。
詳細は下記のリンクをご参照ください。
https://www.kamogawa-ac.jp/cancer-treatment-specialty/。

