犬の胃拡張胃捻転症候群(GDV)
病態
胃拡張胃捻転症候群(GDV)は、何らかの原因で食後に胃の中に空気が大量に発生し、胃が拡張し、さらに胃が捻れてしまう状態のことです。
主に大型犬に発生しますが、小型犬や中型犬にも発生することがあります。
食後すぐに運動することで発生することが多いですが、それ以外でも発生することはあり、胃が捻れると、急に血液の巡りが悪くなり、そのまま放置すると生命に関わる危険な病気です。
症状
お腹が張り、吐きたいけど吐けないという症状が最も多いです。その他起立困難、呼吸困難などの症状がみられることもあります。
診断
診断は主にレントゲン検査で行います。
胃拡張胃捻転症候群のレントゲン画像(赤丸)
胃の部分に白いライン(青矢印)がみられるのが特徴です。
治療
胃拡張胃捻転症候群は、緊急手術が必要な病気です。
お腹を開けて、胃の捻れを解除し、再発しないように胃と腹壁を固定する手術を行います。
ただし、緊急といっても診断してすぐに手術をするわけではなく、まずは胃の空気を抜いたり、点滴したりなど血液の巡りをできる限りよくしてあげてから手術を行います。
予後
診断時期や治療によりかなりの幅があり、死亡率は10〜50%程度と考えられており、早期に診断・治療が行われた場合、死亡率は低くなりますが、遅れることで死亡率はかなり高くなってしまいます。手術から術後管理までを乗り越えれば予後は良好です。
当院では胃拡張胃捻転症候群に関して、十分な説明を行い、治療方針を決定しています。愛犬が胃拡張胃捻転症候群を患ってしまい、ご不安な方はご相談ください。