猫の気管支疾患/猫喘息

病態
猫の気管支疾患とは一般的に猫喘息とも呼ばれます。
気管支において何らかの原因により、平滑筋収縮による気道壁の肥厚や粘液などの過剰分泌、炎症細胞の浸潤などを引き起こします。
特定のアレルゲン吸入によるアレルギー反応だと考えられていますが、明確な病態はあまりわかっていません。
品種や性差は関係ありませんが、冬季に悪化することが多いです。
症状
・発作性の咳
・運動後の喘鳴
・努力性の呼吸
・運動不耐性
これらの症状が長期的にあらわれます。
診断
診断は以下の要素を組み合わせて行います。
1. 臨床症状
上記に当てはまる臨床症状が2か月以上続くと本疾患の可能性があります。
2. 血液検査
全血球計算にて好酸球数増加、血液生化学検査にて高グロブリン血症が認められることがあります。
3. レントゲン検査
胸部レントゲン検査にて気管支パターン、間質パターン、呼吸障害に伴った肺の過膨張などが認められます。
4. CT検査
特徴的な所見はありませんが、レントゲン検査でわからないような炎症性あるいは腫瘍性疾患などの除外診断に役立ちます。
5. 気管支鏡検査
麻酔下にて気管支鏡を挿入し、気管や気管支の内部を直接観察します。
気管支の粘膜の肥厚や気管~気管支内にて粘液の塊が認められることがあります。
6.気管支肺胞洗浄液(BALF)検査
気管支鏡検査と同時に行います。
気管支鏡から生理食塩水を注入し、再度回収することで気道内の細胞や液体成分を調べることができます。
BALFでは好酸球や好中球の増加が認められ、細菌や寄生虫、異物、腫瘍細胞などは認められません。
治療
呼吸困難を伴った急性期の治療としては、酸素室を用いた酸素化とステロイド薬の投与を行い呼吸状態の安定化を目指します。
慢性期はまず、抗原や刺激物など考えられる原因物質への暴露を最大限減らすように環境を整備する必要があります。
部屋の掃除や、空気清浄機の設置、粉塵の少ない猫砂への変更などが挙げられます。
内科治療としてはステロイド薬の内服による全身投与、もしくは吸入器を用いた吸入療法が挙げられます。
病態によっては気管支拡張薬や免疫抑制剤を併用することもあります。
猫喘息は初期の段階だと症状がいつもみられるわけではないため、比較的気づかれにくい病気です。
また元気や食欲はあっても、呼吸を荒くしている様子がみられた場合は猫喘息だけではなく、他の呼吸器疾患や心臓疾患など、何か病気が隠れていることもあります。
気になる症状がある場合は、お気軽に当院までご相談ください。

