猫の膵炎
病態
膵臓は、膵液という消化酵素を含む液を十二指腸に分泌し、インスリンやグルカゴンなどのホルモンを血液中に分泌します。
病態は不明な点が多く、胆管肝炎やIBD(炎症性腸疾患)と関連している。
猫では急性よりも慢性膵炎が多く、死因に関わらない猫115頭の、死後の検査から、60%の猫が慢性膵炎に罹患していた、という報告があります。(ちなみに急性膵炎に罹患していた割合は15.7%、膵臓に異常が無かった割合は33%)
症状
慢性膵炎の症状は非特異的で、体重減少、間欠的な下痢や嘔吐などがあります。
急性膵炎の症状は食欲不振、元気消失、嘔吐、下痢、低体温、体重減少などがあります。
診断
確定診断は病理検査でのみ可能ですが、膵炎により細胞から血中に放出された膵リパーゼを測定することでも、診断可能です。
病院ではこのようなキットを使い、膵炎を確認します。
また腹部のエコー検査なども、診断の補助になります。
治療
輸液、制吐剤、疼痛管理を中心に治療します。
また併発疾患も同時に治療します。
これらの治療への反応が悪い場合はステロイドなどの免疫抑制剤の使用を考慮します。