糖尿病性ケトアシドーシス

病態
糖尿病性ケトアシドーシス(以下DKAと表記します)とは、糖尿病(インスリンの作用不足)によりケトン体という酸性物質が体内に蓄積し、身体のバランスが酸性に傾いてしまった状態(代謝性アシドーシス)のことです。糖尿病の合併症の中でも命に関わる緊急疾患として知られています。
症状
多飲多尿や食欲増加、体重減少などといった糖尿病の症状に加え、DKAを引き起こす原因となった基礎疾患に由来する様々な症状がみられます。
例として、膵炎や子宮蓄膿症に続発したDKAであれば、発熱や食欲不振、嘔吐、下痢、黄疸などが挙げられます。
診断
まずは動物の状態を把握するため、心拍数、呼吸数、体温、血圧の測定などバイタルのチェックを行います。
その後、以下の検査を実施します。
・血液検査:重度の高血糖、電解質異常(低Na、高K、高P血症)、pHの低下
・尿検査:ケトンの陽性
治療
基本的にDKAの犬や猫は状態が悪いため、食事が取れず重度の脱水となっていることがほとんどです。まずは数日間入院下で静脈点滴、短時間作用型のインスリンの持続投与を行います。インスリン投与に伴いカリウムやリンが低下してくることが多いため、必要に応じ輸液剤にカリウムやリンを加えて補充します。自力で食事が取れないうちは、鼻や食道に栄養チューブを設置して液体のご飯を給餌します。これにより食欲がなくてもご飯をあげることが可能です。
数日間による集中治療を経て自力で食事が取れるようになれば、通常の糖尿病治療で用いられる中~長時間作用型のインスリンに切り替えて退院です。
糖尿病性ケトアシドーシスは、数日様子を見るだけで命に関わる病気です。
少しでもご家庭のわんちゃん猫ちゃんについてご不安なことがありましたら、お気軽に当院にご相談ください。

