耳血腫
病態
犬や猫の耳は、耳介と呼ばれています。
耳介は皮膚と軟骨から作られており、耳血腫とは耳介の中に
血液の混じった液体が溜まって耳が腫れてしまう状態を言います。
症状
耳が腫れる以外に、前脚や後脚で耳を掻こうとしたり
しきりに耳を振るなどの症状が見られます。
また、耳介に溜まった液体のせいで耳が垂れ下がることもあります。
原因
細菌やマラセチア(カビの一種)などによる外耳炎が発生すると
耳を振ったり掻いたりすることで耳介に物理的刺激が加わり耳血腫が発生すると
考えられています。
診断
耳血腫の診断は視診にて特徴的な腫れを確認することと、
耳介の中の液体を吸引することで診断が可能です。
治療
注射器などで中の液体を抜くことを何度か繰り返す治療法のほか、
外科的に耳介に切開を行い液体を排出する方法などがあります。
また、内科的に耳介の中に薬剤(ステロイドやインターフェロンなど)を注入し
たり、ステロイドを内服で投与することもあります。