腹腔内出血

病態
腹腔内出血とは、臓器からの出血により腹腔内に多量の血液が貯留することです。
急速な循環血液量の喪失による循環不全と、ヘモグロビン喪失に伴う酸素供給の低下により、急性に虚脱する症状を示します。
出血をコントロールできなければ短時間のうちに多臓器不全に陥り、死にいたります。
腹腔内出血の原因は、以下のようなものがあげられます。
①事故などによる外傷
②なんらかの疾患による病的な出血
・腫瘍からの出血(特に脾臓や肝臓に発生した血管肉腫などの腫瘍)
・血液凝固障害
・肝臓壊死
・膵炎や腹膜炎など
症状
急性の虚脱、可視粘膜の蒼白、意識レベルの低下、活動性低下、食欲不振などの症状が見られます。
診断
症状から腹腔内出血が疑われる場合は以下の検査をおこなって診断します。
・血液検査(貧血、血液凝固系などの確認)
・腹部エコー(腹腔内に貯留する血液の確認、出血の原因となる部位や疾患の特定)
・心エコー(循環血液量の評価)
治療
出血性ショックの動物に対しては、速やかな酸素吸入と血管確保をおこない、急速な輸液により循環血液量を増加させることが必要です。また貧血の補正や、アルブミン、凝固因子の補充のために輸血をおこないます。
輸液・輸血により動物の状態を安定化させながら、出血の原因となる疾患の治療をし、出血をコントロールすることが不可欠です。外科手術が必要となる場合も多くあります。
腹腔内出血の原因となる腫瘍などの病気は、健康診断で早期発見できるものも多くあります。
当院で受けられる健康診断についてはこちらの記事をご覧ください。

