病気紹介

膿胸

🦠 病態:膿胸とはどんな病気?

📌 胸の中で起きる感染症

膿胸とは、肺と胸壁の間にある「胸腔(きょうくう)」と呼ばれる空間に細菌が侵入し、膿(うみ)がたまってしまう状態です。

膿が大量に溜まると肺が十分に膨らめなくなり呼吸困難を起こすほか、細菌が全身に広がって敗血症(命に関わる重篤な感染症)を引き起こすこともあります。

原因は 肺炎からの波及、外傷、異物の侵入、血液を介した感染、口傷などが原因と考えられていますが、原因の特定が困難な場合も少なくありません。

 


🤒 症状:こんなサインを見逃さないで!

膿胸では肺が圧迫されるため呼吸に関わる症状が中心になります。

呼吸器の症状

  • 呼吸が早く浅くなる
  • 咳が出ることがある
  • 口を開けて呼吸する(開口呼吸)

全身の症状

  • 発熱(高熱)
  • 食欲不振
  • ぐったりする、動きたがらない
  •  

膿胸は進行が速く、急速に悪化する場合もあるので、早めの受信がとても重要になります。

 


🩺 診断:膿胸が疑われるときの検査

膿胸が疑われる場合、以下のような検査を行います。

• 身体検査
呼吸の様子、発熱などを確認します
• 画像検査(レントゲン・超音波)
胸腔内に液体が溜まっていないかを調べます
• 胸腔穿刺(胸水検査)
胸腔に針を刺して液体を採取し、細菌の有無や性状を調べます
細菌培養検査により、効果的な抗生物質も判定します
• 血液検査
炎症の程度や全身状態を把握し、治療方針の参考にします

 


💉 治療:膿胸の治療は2つの柱

膿胸の治療は

溜まった膿を取り除くこと

原因となっている細菌を排除すること

この2つが治療の中心となります。通常、入院による集中的な治療が必要です。

 

1. 溜まった膿の排出(ドレナージ)

  • 胸腔穿刺・排液: 溜まった膿を注射器で抜き取ります
  • 胸腔ドレーンの設置: 多くの場合は、胸の中に細いチューブ(胸腔ドレーン)を留置します。これにより、頻繁に膿を抜き取り、洗浄液で胸腔内を洗い流す処置(胸腔内洗浄)を繰り返し行い、細菌と膿を取り除きます

2. 細菌の排除(抗生物質治療)

  • 胸水検査の結果、特定された細菌に最も効果のある抗生物質を投与します
  • 治療期間は長く、状態が安定した後も、数週間〜数ヶ月間にわたって抗生物質を続ける事があります

3. その他の治療(補助療法)

  • 呼吸状態が悪い場合は呼吸を楽にするための酸素吸入を行います
  • 全身状態が悪い場合は支持療法として点滴や栄養補給も並行して行います

4.外科手術

  • 異物が原因、あるいは上記治療で改善しない場合には、膿の洗浄や原因病変の除去のため外科手術を行うこともあります

 


💡 おわりに:早期発見と継続的な治療が鍵

膿胸は、命に関わる非常に危険な病気ですが、早期に発見し集中的かつ継続的な治療を行うことで回復が見込めます。

呼吸の回数や状態、元気や食欲に少しでも異変を感じるなど、気になることがあればいつでもご相談ください。

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