脂肪腫
病態
脂肪腫とは脂肪細胞の良性腫瘍で、中齢から高齢の犬でよく認められます。
また猫でも皮膚にできる腫瘍の3〜5%が脂肪腫であるという報告があります。
脂肪腫の大きさ、形状は様々で、成長は緩やかです。
脂肪腫のタイプとしては、皮膚の下と筋肉の間にできる皮下脂肪腫と、筋肉の間に入り込む筋間脂肪腫、周囲の組織に入り込む浸潤性脂肪腫があります。
ほとんどの脂肪腫は皮下脂肪腫です。
診断
触診により柔らかいしこりを確認します。
また針を刺す細胞診検査により、脂肪を確認し、その他に増殖している細胞が無いかどうかを確認します。
(透明な脂肪が確認できます)
悪性腫瘍である脂肪肉腫では通常、非常に細胞成分に富んでいます。
確定診断には、切除後の病理検査が必要です。
治療
多くの症例では外科的切除により治癒します。
脂肪腫が運動機能を阻害していたり、自壊していたり、急速な成長がなければ、経過観察することもあります。
しかし浸潤性脂肪腫では痛みや筋肉の萎縮を引き起こすことがあるので、積極的な、広範囲の外科治療が必要になるかもしれません。
体を触っていて、柔らかい脂肪の塊のようなものを感じたら、念の為に病院で触診、細胞診検査をすることをおすすめします。