腫瘍(ガン)
それって、本当にイボ??
院長の萩森です。
前回の腫瘍の診断に引き続き、診断の大切さを感じた2例をご紹介します。
8才のトイ・プードルの男の子と10才のヨークシャテリアの女の子の比較です。
2例とも主訴は、『先生、背中にイボのようなものがあるんですが大丈夫ですか?』ということで来院されました。
細胞診の結果、片方は悪性腫瘍(がん)で、もう片方は良性腫瘍(イボ)でした。
診断名は、肥満細胞腫(悪性)と皮脂腺腫(良性)です。
治療方法も、全く異なります。
肥満細胞腫(悪性)の場合、再発を考慮して全身麻酔下で拡大切除が必要で、場合によっては手術後の補助治療も必要になってきます。
一方、皮脂腺腫(良性)の場合、局所麻酔下でのレーザー治療で十分です。
このように、腫瘍は見た目だけで判断せず、しっかりと診断(細胞診)することが重要になります。
ちなみに、この子たちの腫瘍はどちらも現在、治療後再発はみられていません。
悪性腫瘍(がん)とはいえ、これくらい小さいうちの早期発見・早期治療ができれば根治も可能だということです。
次回は、細胞診の方法を実際の動画を交えて紹介していきたいと思います。
《がんで苦しむ犬、猫がいなくなればいいのに》という思いを込めて! 獣医師 萩森