予防
猫のフィラリア症
病態
フィラリア症は、Dilofilaria immitisと呼ばれる虫が寄生して発症する病気のことを
言います。フィラリアの成虫は肺の血管や肺自身の傷害を起こし、重症の時には肺や
心臓が主に傷害されます。
フィラリア症は、犬糸状虫症とも呼ばれますが、犬だけに感染する病気ではありません。
近年では、猫の10頭に1頭がフィラリアの幼虫に感染しているという報告があり、感染
した猫の約4割は室内飼育だったという報告もあります。
フィラリアが猫に感染した場合、犬と比較すると寄生数は少なく、血液検査で検出することが
難しいとされています。さらに、少数寄生のため症状が出にくいのも特徴のひとつです。
猫の心臓や肺の動脈は小さいので、寄生しているフィラリアが肺動脈を塞ぎ、突然死を
引き起こすこともあります。亡くなった後に、フィラリア感染が発見されることも
少なくありません。
このように猫のフィラリア症は、犬のフィラリア症とは異なります。
猫のフィラリア症は検査が難しく、発症すると怖い病気ですが、予防を正しく行うことで
愛猫の健康を守ることができます。