本日の一症例

呼吸が荒い(苦しそう)

呼吸器科

気胸

動物
種類
性別 避妊メス
年齢 16歳
地域 京都市左京区
症状/病態 呼吸が速い
考えられる病気 気胸、肺水腫、肺炎、肺腫瘍、心疾患、その他

呼吸が速く、苦しそうとの主訴で、柴犬さんが来院されました。

 

気管や肺、心臓の疾患が可能性として考えられるため、レントゲンとエコー検査を実施しました。

レントゲン画像の矢印の部分(胸骨と心臓の間)に空気のスペースができており、気胸が疑われました。

胸腔穿刺をおこない空気を抜去してあげると、下の写真のように空気のスペースが無くなったことがわかります。

呼吸数も正常まで落ち着き、楽になりました。

 

この柴犬さんは、気胸の原因の精査のためにCTを撮影しましたが、直接的な原因となるような腫瘍や外傷、肺や食道の裂傷などは検出されませんでした。

そのため明らかな原因は不明ですが、一時的な炎症や外傷などにより肺に微小な穴が空いたことによると考えられました。

このような場合は数日で自然治癒する可能性があるため、連日レントゲンを撮りながら経過観察したところ、3日後には胸腔に空気が漏れることはなくなり、気胸は治癒しました。

 

「呼吸が速い」という症状があるときは、放置すると死に至る病気が隠れている可能性が十分に考えられます。

速やかに受診し、必要な検査を受けることをお勧めします。

 

 

診断名