犬
腸のしこり/元気がない、ぐったり/食欲がない
腫瘍科(ガン)/外科
犬のリンパ腫(消化器型)(手術後に抗がん剤を使用した症例)

動物 | 犬 |
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種類 | トイプードル |
性別 | 避妊雌 |
年齢 | 15歳 |
地域 | 京都市北区 |
症状/病態 | 元気・食欲の低下 |
考えられる病気 | 様々な病気 |
食欲が全くなく、元気もないとのことで来院されました。
画像検査の結果、腸にしこりが見つかり、針生検の結果、リンパ腫が疑われました。
また、腸が一部破れている状況でした。そのため、ご家族と相談した結果手術を実施することとしました。
以下、手術の写真となります。苦手な方はご注意ください。
お腹を開けて、腫瘍を確認しました(赤丸)。
腫瘍周囲の血管を処理すると、腸の色が変わります。
腸の色が黒いところ(赤丸)は血流がないところ、腸の色がピンク色のところ(青丸)は血流があるところです。
腸を切除する際には血流があるところで切除する必要があります(青点線)。
切除後は、腸と腸間膜を縫合し、手術終了です。
病理診断はリンパ腫でした。
リンパ腫の場合、腸を切除しても別の腸やリンパ節に新たに腫瘍が発生することもあるため、手術後に抗がん剤を実施しました。
現在は、抗がん剤も終了し、元気・食欲ともに問題ありません。
犬の消化器型リンパ腫は予後が悪い腫瘍で、多くの子が数ヶ月で亡くなってしまう病気です。しかし、積極的に治療をすることで、年単位で過ごすことができる場合もあります。
治療をするかどうかには慎重な判断が必要となりますので、ご不安なご家族がいらっしゃいましたらご相談ください。
当院では、獣医腫瘍科認定医による腫瘍科専門外来を行なっております。
詳細は下記のリンクをご参照ください。