犬
頚のしこり
腫瘍科(ガン)/外科
犬の甲状腺癌

動物 | 犬 |
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種類 | ヨークシャテリア |
性別 | 避妊雌 |
年齢 | 14歳 |
地域 | 京都市下京区 |
症状/病態 | 頚のしこり |
考えられる病気 | 甲状腺のしこり、唾液腺のしこり、リンパ節腫脹、皮下のしこりなど |
喉にしこりがあるとのことで、他院様から紹介を受け、当院に来院されました。
喉のしこりを針生検したところ、甲状腺癌が疑われました。
この子の甲状腺は可動性であり、周囲組織に広がっていなかったため、手術にて根治が期待できる可能性をお伝えし、手術を実施することとしました。
甲状腺はもともと血管や神経、食道、気管の近くにあるため、これらを傷つけないように手術を行う必要があります。
以下、手術時の写真となります。苦手な方はご注意ください。
(写真はご家族のご承諾のもとあげさせていただいております)
皮膚を切開し、筋肉を分けると甲状腺が確認できます(青丸)。
甲状腺(青丸)の近くにある神経(黄色矢印)を傷つけないように剥がしていきます。
甲状腺(青丸)の頭側から甲状腺に入る血管(赤矢印)を糸で縛り、切除します。
摘出後の写真です。大事な血管(赤矢印)と神経(黄矢印)を温存しています。
手術後2日で退院し、病理診断は甲状腺癌でした。
今後は紹介元病院様で再発や転移が認められないかどうか経過を見てもらう予定です。
甲状腺癌は早期に見つかり、手術ができれば根治が期待できる癌です。
日頃から頚を触ってもらい、しこりが見つかったら早めに病院を受診するようにしましょう。
当院では、獣医腫瘍科認定医による腫瘍科専門外来を行なっております。
詳細は下記のリンクをご参照ください。