犬
お腹の中のしこり
腫瘍科(ガン)/外科
犬の精巣腫瘍(セルトリ細胞腫のリンパ節転移)

動物 | 犬 |
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種類 | 柴犬 |
性別 | 去勢雄 |
年齢 | 7歳 |
地域 | 京都市北区 |
症状/病態 | お腹のできもの |
考えられる病気 | 嚢胞、膿瘍、肉芽腫、腫瘍など |
お腹の中にできものがあるとのことで当院に紹介来院しました。
このわんちゃんは、半年前に紹介元病院で精巣腫瘍を摘出しており、病理検査でセルトリ細胞腫と診断されていました。
お腹のエコー検査ではできものはリンパ節でした。より詳細な検査としてCT検査とできものの針生検を実施し、セルトリ細胞腫のリンパ節転移と診断しました。
精巣腫瘍のリンパ節転移のCT画像(赤丸:リンパ節、青丸:腎臓、赤矢印:後大静脈)このリンパ節は後大静脈や腎静脈に接して存在していました。
ご家族に、手術・放射線治療・分子標的薬を提案させていただいたところ、手術を希望されましたので、手術を実施することとしました。
以下、手術の写真となります。苦手な方はご注意ください。
(写真はご家族のご承諾のもとあげさせていただいております)
お腹をあけて腫瘍を確認したところ、CTで見られたとおり、腫瘍は後大静脈の下に潜り込んでいました(青丸:腫瘍、赤丸:腎臓、青矢印:後大静脈)。
腫瘍周囲の脂肪を少しずつ剥がし、より詳細に確認しました。後大静脈や腎臓脈に接してはいましたが、明らかに癒着しているわけではなかったため、きれいに剥がすことができました(青丸:腫瘍)。
摘出した腫瘍です。
手術後の状態はよく、術後3日目に退院しました。
病理診断はセルトリ細胞腫のリンパ節転移でした。
今回は転移したリンパ節を手術で切除したため、今後も別のリンパ節や肺などに転移する可能性があります。そのため、手術後に抗がん剤を計6回投与し、現在5ヶ月経過していますが、明らかな転移は認められておりません。今後転移する可能性もあるため、引き続き経過をみていく予定です。
当院では、獣医腫瘍科認定医による腫瘍科専門外来を行なっております。
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