本日の一症例

健診で発見

腫瘍科(ガン)

犬の脾臓腫瘤

動物
種類 トイ・プードル
性別 避妊雌
年齢 9歳4ヶ月
地域 京都府船井郡
症状/病態 脾臓腫瘤
考えられる病気 血管肉腫、その他肉腫、リンパ腫、結節性過形成、血腫など

歯石除去を目的に来院されたトイプードルさんの症例です。

食欲や元気などの一般状態も良く、特に気になる症状もありませんでした。

 

手術当日の術前検査にて、腹部超音波検査を実施したところ脾臓に1cm〜1.5cm程度の

腫瘤(しこり)が確認されました。

 

赤い線で囲った部分が脾臓です。中心付近に黒色の丸い病変が今回発見された腫瘤です。

脾臓の腫瘤は、悪性あるいは良性の場合と両方の可能性がありますが腫瘤の2/3が悪性である

とも言われています。また、良性であっても腫瘤の破裂のリスクなどもあるので注意が

必要です。

 

オーナー様に連絡させていただき、急遽歯石除去の処置に合わせて転移病変がないか

の確認のためCT撮影と脾臓の摘出を実施しました。

CT検査では明らかな転移病変は確認されませんでした。

摘出した脾臓は病理検査に提出し、後日悪性腫瘍ではなく結節性過形成という結果で

返ってきたため術後に補助療法などは行わず治療終了となりました。

 

今回は歯石除去の術前検査で偶然見つかった病変でしたが、食欲元気なども問題

なかったため手術の予定がなければ発見が遅れていた可能性もあります。

日頃元気なワンちゃん、ネコちゃんであっても画像検査を含めた定期的な健康診断を

おすすめします。

診断名

犬の脾臓の血管肉腫