本日の一症例

痒がる、皮膚が赤い/毛が抜ける(脱毛)

皮膚科・耳科

細菌性皮膚炎(膿皮症)

動物
種類 サイベリアン
性別
年齢 0歳8ヶ月
地域 京都市西京区
症状/病態 痒み
考えられる病気 感染性疾患(細菌、糸状菌、寄生虫)アレルギー疾患、心因性、内分泌疾患など

1ヶ月前から原因不明の痒みが発生している猫さんです。

他の病院で検査など実施するも原因がわからず、薬の処方なども

なく経過観察されていたとのことでした。

下記の写真は来院時の皮膚の様子です。

 

痒みによる脱毛が認められるほか、皮膚のコンディションも悪く瘡蓋のようなものも

できてしまっています。

 

猫ちゃんに痒みが発生した際には、まず原因が感染によるものなのか、またそれ以外の

アレルギー疾患や心因性、内分泌疾患などからくるものなのか調べる必要があります。

感染の有無を調べるために、皮膚のスタンプ検査(皮膚にガラスを押し当てて顕微鏡で

確認する検査)、抜毛検査(毛の構造の確認や感染物の確認)、ウッド灯検査(糸状菌を

検出する特殊なライト)を実施しました。

 

すると、スタンプ検査で皮膚の病変部から細菌が検出されました。

この時点で、感染が明らかに痒みの一因になっていることがわかったため

まずは感染に対する治療から開始しました。

この猫ちゃんでは、①感染を除去するためのシャンプーと、②皮膚のバリア機構を高める

ための保湿剤を処方しました。

以下の写真が治療から3週間後の皮膚の様子です。

 

 

治療開始してから数日で痒みが治ったようで、写真のように皮膚の脱毛もわからない

くらいまで回復しました。現在痒みの再発もないようなので今回の感染以外に

アレルギー疾患のような他の病気がが隠れている可能性も現状は低いと判断し、

少しずつシャンプーと保湿剤の頻度を減らしながら治療を継続する予定です。

 

ご自宅の猫ちゃんが原因不明の痒みで悩まれている際には、ぜひ当院までご相談ください。

診断名

膿皮症(細菌性皮膚炎)