本日の一症例

足をあげる、歩けない

整形外科(骨・関節の病気)/外科

股関節脱臼

動物
種類 ポメラニアン
性別 去勢雄
年齢 5歳7ヵ月
地域 京都市左京区
症状/病態 足をあげる、痛がる
考えられる病気 脱臼、骨折、関節炎、皮膚/爪床の疾患、神経疾患、腫瘍など

階段から落ちた後から、左後肢をあげたまま、地面につけないとのことで来院されました。

左後肢の足先が外側に向き、患肢を触ると激しい痛みがある様子でした。

 

レントゲン検査を実施したところ、左後肢の股関節が脱臼していました。

(激しい痛みがあったため、患肢の無理な伸展は避けて撮影しています。)

マル印:左大腿骨頭

まずは、内科的治療として、脱臼を整復し、包帯で2週間ほど後肢を固定しましたが、その数週間後に再脱臼してしまいした。

 

内科的治療後にも再発する場合、内科的治療のみでは完治が難しい場合が多いため、外科的治療(大腿骨頭切除)を実施しました。

以下、手術の写真になりますので、苦手な方はご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マル印が大腿骨頭です。この部分が正しい位置から外れることで痛みがでるため、大腿骨頭自体を切除します。

 

術後のレントゲン写真です。

 

術後は炎症止め、痛み止めを内服しながら、患肢のリハビリ運動を行います。

この子は、手術の翌日から少しづつ床に足をついて歩けるようになり、良好に経過しています。

 

股関節脱臼は、小型犬さんに比較的多くみられる疾患です。

激しい痛みを伴うことが多く、早い段階での診断と治療が望ましいです。

 

ご心配な症状がある場合には、お気軽に獣医師にご相談ください。

 

診断名