犬
嘔吐・吐出
消化器科(腸の病気・肝臓の病気)
誤食(内視鏡による異物摘出)

動物 | 犬 |
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種類 | MIX |
性別 | 雌 |
年齢 | 6歳 |
地域 | 京都市右京区 |
症状/病態 | 嘔吐 |
考えられる病気 | 誤食、胃腸疾患 |
クリップを食べてしまい、1度嘔吐したが出てこなかったので来院されました。
レントゲン検査にて、胃内にクリップが確認されました(矢印)。
クリップの形状から放置すると胃腸を傷つけたり、最悪穴を開けたりする可能性があるため早めの対応が必要になります。
吐かせる処置を試みましたがフードと胃液しか出てこなかったため、吐き出させるのは不可能と判断し内視鏡による摘出を行いました。
以下内視鏡カメラの写真が出てきます。
麻酔処置を行い内視鏡を胃内に入れると、幽門(胃の出口)の近くでクリップが認められました。
今回は把持鉗子という器具を使用しました。
把持鉗子は物をつかむハサミのような形状をしており、内視鏡のカメラの先端から出して胃腸内の物をつかむことができます。
クリップの向きに注目すると、先端がこちらを向いていました。
このままだと摘出する際に胃や食道の内側に引っかかったり傷つけたりする可能性があるため、内視鏡や鉗子を当てクリップの向きを変えて、先端が奥に向くように試みました。
うまくできました。
スムーズに胃と食道を通過し、無事摘出することができました。
処置後は嘔吐など症状も特になく元気に過ごしてくれています。
内視鏡による異物摘出は、異物によって適応しないこともありますが、開腹せずに短時間で行えるためかなり有用です。
麻酔処置は必要ですが、基本的には術後入院の必要もなく日帰りが可能です。
異物の誤食はわんちゃんに限らず猫ちゃんもよくある事故です。
もちろん誤食させないことが一番ですが、どんなに気を付けても起こってしまった事例も多々見受けられます。
わんちゃん猫ちゃんが何か異物を食べてしまった、もしくは疑わしい場合は早めにご相談ください。