本日の一症例

元気がない、ぐったり/食欲がない/呼吸が荒い(苦しそう)

呼吸器科/猫科(猫の病気)

猫の膿胸

動物
種類 Mix
性別 避妊雌
年齢 8歳
地域 大津市
症状/病態 元気・食欲の低下、呼吸が早い
考えられる病気 呼吸器疾患(肺炎、肺水腫、肺腫瘍、喘息、膿胸など)

🐾呼吸が苦しそうな猫ちゃんが来院されました
数日前から「元気がない」「食欲がない」「呼吸が苦しそう」といった症状が見られる猫ちゃんが来院されました。画像検査の結果、胸の中に水が溜まる「胸水貯留」が確認されました。

レントゲン画像で見えた異常
下の画像は、左が健康な猫ちゃん、右が今回の猫ちゃんのレントゲンです。
胸全体が白く写っており、🟦青い矢印が示すように、肺が十分に膨らんでいないことが分かります。

これは胸水が大量に溜まっている状態です。

 

 


🐱診断:膿胸(のうきょう)
胸に針を刺して胸水を採取したところ、黄色く濁った液体が出てきました。細菌も検出されたため、「膿胸」と診断されました。
膿胸とは、肺と胸壁の間にある「胸腔(きょうくう)」という空間に細菌が入り込み、膿が溜まってしまう病気です。
膿が多量に溜まると肺が膨らめず、呼吸困難を引き起こします。さらに、細菌が全身に広がると「敗血症」という命に関わる重篤な感染症になることもあります。

 


🩺治療内容
膿と細菌を取り除くため、以下の治療を行いました。
① 胸腔ドレーンの設置
胸の中に細いチューブ(胸腔ドレーン)を入れ、定期的に膿を抜き取ります。さらに、洗浄液で胸腔内を洗い流す「胸腔内洗浄」を繰り返し行い、細菌と膿を除去します。
🟩緑矢印:胸腔ドレーン
🟨黄色矢印:食道チューブ(栄養補給用)

 

② 抗生剤の投与
胸水の細菌検査結果に基づき、最も効果的な抗生物質を選んで投与しました。

③ 支持療法
全身状態の低下も見られたため、点滴や食道チューブによる栄養療法などのサポート治療も併用しました。


🏥治療の経過と回復
入院下での集中治療により、胸の膿はなくなり、レントゲンでも肺がしっかり膨らんでいることが確認できました。現在は呼吸も安定し、再発することもなく元気を取り戻しています。


🐾膿胸は早期発見・治療が鍵です
膿胸は命に関わる危険な病気ですが、早期に発見し、継続的な治療を行うことで回復が見込めます。
「呼吸が浅い」「食欲がない」「元気がない」など、少しでも気になる変化があれば、どうぞお気軽にご相談ください。

診断名