犬
元気がない、ぐったり/食欲がない/下痢・軟便/足がふらつく・立てない
腫瘍科(ガン)/外科
小腸のGIST(消化管間質腫瘍)
![](https://www.kamogawa-ac.jp/wp-content/uploads/2019/02/PC150593-1-400x275.jpg)
動物 | 犬 |
---|---|
種類 | チワワ |
性別 | 去勢オス |
年齢 | 11才 |
地域 | 京都府 |
症状/病態 | 元気がない、食欲不振(他院で腸にシコリがあると言われた) |
考えられる病気 | 腸腺癌、リンパ腫、平滑筋肉腫、GIST(消化管間質腫瘍)、炎症(肉芽腫)、異物など |
まず初めの検査では、、、
・触診で中腹部にシコリが触知される →小腸の腫瘍
・腹部痛がる →膵炎併発(血液検査でリパーゼ、アミラーゼ上昇)
・歯肉が白い →重度貧血(ヘマトクリット16%:通常の半分)
そして腹部超音波(エコー)検査では、次のエコー写真のように小腸に腫瘍性病変を疑う所見がみられました。
腫瘍からの出血が疑われたので、輸血と検査を実施し、そのまま開腹手術としました。
※これ以降は術中の写真が写りますので、苦手な方はご注意ください。
やはり、空腸の一部が完全に腫瘍化していました。
(黄色で囲った部分が腫瘍です)
まず、超音波メスで癒着を丁寧に剥がしていきます。
そして、腫瘍からのマージン(距離)を確保した部分で切除しました。
そして、腸の断端同士を血行に注意しながら吻合します。
術後、経過は良好で、貧血は改善し、食欲元気も元に戻りました。
病理組織検査の結果は 『GIST(消化管間質腫瘍)』 でした。
今後、術後補助治療について相談していきます。
※ちなみに、GISTは47%にc-kit遺伝子変異がみられるというデータがありますが、
この子は c-kit遺伝子変異検査は陰性で、パラディアのような分子標的薬も奏功しませんでした。
当院では、獣医腫瘍科認定医による腫瘍科専門外来を行なっております。
詳細は下記のリンクをご参照ください。