緑内障

病態
眼球内は眼房水という液体で満たされており、それによって眼圧が維持されています。眼房水は眼球内で下の図のように循環しており、産生と排出のバランスが保たれています。
緑内障は何らかの原因で眼房水の排出が障害されることにより、眼圧が異常に上昇してしまう病気です。
原因となる他の疾患のない緑内障を原発性緑内障、それに対しぶどう膜炎や水晶体脱臼などの疾患が原因となって起こる緑内障を続発性緑内障といいます。
症状は眼圧の上昇程度により様々ですが、多くは目の充血、流涙症、痛み、羞明(しゅうめい;目をしょぼしょぼさせること)が見られます。
診断方法
眼圧を測定し上昇を確認します。
(正常値;犬 10〜20 mmHg、 猫 15〜25 mmHg)
治療方法
緑内障は眼科のエマージェンシーと言われており、緊急の治療が必要となります。
内科的治療と外科的治療がありますが、治療法の選択は原発性か続発性か、またその時点で視力があるかどうかなどを考慮しながら行います。
■内科的治療(点眼)
・眼房水の産生を抑制する
炭酸脱水素酵素阻害剤、β遮断薬など(ドルゾラミド、マレイン酸チモロールなど)
・眼房水の排出を促進する
プロスタグランジン製剤、コリン作動薬など(ラタノプロスト、ピロカルピンなど)
・硝子体を脱水させる
浸透圧利尿剤(マンニトールなど)
■外科的治療
・毛様体解離術
眼房水の排出口である隅角を解放する手術
・周辺虹彩切除術
虹彩に穴をあけて眼房水の通り道を作る手術
・濾過手術、シャント術
閉塞部の抜け道を作る手術
・レーザー毛様体凝固術
眼房水の産生を減少させる手術
・その他
眼球摘出、義眼など