コクシジウム症
病態
コクシジウム症は感染犬の糞便中に排泄されたオーシストと呼ばれる虫卵を口から摂取することによって感染し、下痢や血便、嘔吐といった症状を呈します。
感染したコクシジウムは腸粘膜上皮細胞内で無性生殖で増殖した後、さらに有性生殖を経てオーシストを形成し犬の体外へ排出されます。
糞便中に排出されてすぐのオーシストは「未成熟オーシスト」と呼ばれ感染力はありませんが、およそ24時間ほどで感染力のある「成熟オーシスト」へと変化します。
図:コクシジウムの生活環(バイエルのウェブサイトより抜粋)
感染しても症状が出ない場合もあれば、重篤化し死亡する場合もあります。次のような場合は注意が必要となります。
・若齢または高齢
・多頭飼いをしている
・ストレスがかかっている
・大量のコクシジウムを摂取した
・免疫力が低下している
診断方法
糞便検査による虫卵の検出
治療
駆虫薬を飲ませます。
また再感染を防止するため、便は排泄後速やかに片付け、トイレとその周辺をしっかりと消毒する必要があります。
コクシジウムのオーシストは一般的な消毒薬に対して抵抗性があるため、トイレなどの消毒には熱湯を用います。