ドライアイ
病態
ドライアイには、蒸発亢進型と涙液減少型があります。蒸発亢進型は、涙の脂質や粘液異常
が原因となって発生します。また、涙液減少型では、涙の水分量の異常によって引き起こさ
れます。
原因
犬では、局所的な自己免疫疾患であることが原因と考えられています。その他にも、外傷、神
経学的異常、ウイルス感染、糖尿病、瞬膜腺の切除などが挙げられます。
症状
典型的な症状としては、角膜および結膜の炎症(目の充血)、断続的な粘液性あるいは粘液膿性の目ヤニ
です。KCSが進行すると、眼の表面の光沢が失われ、結膜が過度に充血し、粘度の高い目ヤニが継続的に
見られるようになります。より重度なKCSでは、広範囲にわたる角膜の血管新生や色素沈着を伴う進行性
の角膜炎が発生します。
治療
局所的な自己免疫疾患によるKCSでは、免疫抑制剤の点眼を用います。細菌感染が併発して
いる場合は、抗菌薬の点眼を行います。また、点眼治療が効きにくい子や点眼が難しい子に
は、再生医療を用いた治療を行うこともあります。当院では、再生医療では、細胞治療を
行うことによって、免疫抑制や抗炎症作用を働かせ、正常に働かなくなった涙腺を再び
機能させます。