胆石症
病態
肝臓で作られた胆汁(消化液)は胆嚢(たんのう)という袋に貯蔵され、十二指腸へ排出されます。
胆石とは、胆汁のたまる胆嚢に石(粟粒~小豆くらいのもの)ができた病態です。
胆汁の成分が結晶化し、結石となって肝臓の中の胆管や総胆管(胆嚢~十二指腸の管)に詰まってしまうと、胆汁のうっ滞が起こります。
胆石が形成される過程においては無症状であることが多いですが、石が胆道を刺激したり、胆汁の流れが悪くなった場合に、元気消失、食欲低下、嘔吐、腹痛、黄疸などがみられます。
診断
問診、視診、聴診、触診をします。
さらに詳しい検査として、
・血液生化学検査
様々な検査項目を一度の採血で調べることができます。それぞれの項目は複雑に関与しており、総合的に判断します。特に胆石に関連する項目で異常が見られるものとして、 T-Bilの高値(黄疸)、ALP、GGT、T-Choの高値(胆汁うっ滞)があります。
・レントゲン(胆石)
・エコー(超音波)検査 (総胆管の拡張、閉塞など)があります。
治療
無症状の場合、手術によるリスクや合併症などを考慮し、経過観察するかを話し合います。
内科療法として、低脂肪食、強肝剤、抗生剤(胆嚢炎がある場合)を投与し、結石生成を予防します。
症状がある場合は外科処置(胆嚢切除と術後の内科療法の方針を決める材料として肝生検)を検討します。