薬疹
病態
薬疹とは、薬剤によって皮膚や粘膜に認められる発疹のことを言います。
薬剤は塗り薬や飲み薬、注射や吸入など様々な投与経路で発生する可能性があります。
塗り薬や消毒液などの外用薬や抗生物質、駆虫薬などによって引き起こされる
ことが多いと言われていますが、明らかな原因薬物を特定できないこともあります。
また、薬疹の発症は薬剤の投与から数時間〜数日、数ヶ月、場合によっては数年経ってから
発症することもあります。
症状
薬疹ではさまざまな皮膚の症状を生じます。主な症状には、皮膚の炎症や湿疹、潰瘍、痒み、
脱毛、フケなど多岐にわたります。重篤なものになると皮膚が壊死することもあります。
また、皮膚の症状以外にも発熱や元気がなくなるなどの全身症状が見られることもあります。
診断
薬疹自体を検出する検査は存在しません。そのため、皮膚の症状が出始めたタイミングと
薬剤を投与したタイミングによってある程度予想をつけて判断することになります。また、
薬疹はさまざまな症状を示すので薬疹以外の病気を除外することも重要になります。
症状の項目で述べたように、皮膚以外にも全身症状が現れる場合もあるので、場合によっては
血液検査や画像検査を行うこともあります。また、皮膚の生検を行い病理組織学的な検査を
行う場合もあります。
治療
薬疹が疑われた時点で、その薬剤の投与を中止することが最も重要となります。
また、必要に応じて局所あるいは全身の症状に対する対症療法を行います。
皮膚以外に全身的な異常が認められる場合には輸液などの治療を行うこともあります。
対症療法により、症状が改善しない場合にはステロイドによる治療を行います。