病気紹介

角膜血腫

● 病態

眼の表面は「角膜」という透明な膜で覆われています

角膜は本来、血管の無いクリアな組織ですが、炎症や外傷などの刺激によって周囲から血管が角膜内に伸びてくることがあります(これを血管新生といいます)

この伸びてきた血管が破れて出血すると、角膜内や直下に血液が溜まり「角膜血腫」とよばれる状態になります

 

● 原因・症状

見た目の変化としては角膜が赤黒く濁って見えるようになります

主な原因は次のようなものになります

  • 外傷や角膜潰瘍
  • 慢性の角膜炎(ドライアイなど)
  • 緑内障
  • ブドウ膜炎
  • 血液凝固異常や高血圧など全身性の要因

通常は血腫自体が眼症状(疼痛や流涙など)を起こすことは少ないですが、原因によって詳細な眼検査や全身精査が必要となることがあります

 

● 診断

状態により次のような検査をおこないます

  • 蛍光染色検査(フルオレセイン染色テスト):角膜に蛍光色の液体をなじませ、着色した欠損部を特殊なライトで照らします。角膜に傷や潰瘍があるか調べます
  • 眼圧検査:緑内障やブドウ膜炎の有無を確認します
  • 細隙灯顕微鏡検査(スリット):角膜の状態や眼の奥に出血や炎症が無いか調べます
  • 血液検査:出血しやすい体質(血を止める血小板や血液凝固因子の異常)が無いか調べます

これらの検査を通じて、出血の場所と原因を特定していきます

 

● 治療

治療は原因によって異なります。

  • 角膜の傷や潰瘍:抗生剤、角膜保護剤などの点眼薬
  • 慢性の角膜炎(ドライアイなど):抗炎症剤、免疫抑制剤、涙の分泌を促す点眼薬
  • 緑内障:眼圧を下げる内科治療や外科治療
  • ブドウ膜炎:抗炎症剤の点眼など
  • 血液凝固異常や高血圧など全身性の要因:原因に合わせた治療

 

見た目に驚かれるかもしれませんが角膜に出血が見られても、通常軽度であれば治療の有無に関わらず数週間~数カ月で自然に吸収されることが多いです

ただし、その背景に眼の他の病気を併発していたり全身の病気が隠れている場合もあります

見た目だけでは原因を判断することはできないため、眼に赤みや濁りなどの異常が見られた場合は「そのうち治るかな」と様子を見ず、気になる変化があれば早めに相談ください

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