泌尿生殖器疾患/病気

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尿検査で分かること!

獣医師の梶村です。

今日は臨床の現場で実際によく行われている尿検査について説明させていただきます。
尿検査には尿試験紙による検査と、顕微鏡で直接尿を見る検査があります。
⑴試験紙による検査について
この検査では以下のものを使います。
この紙に尿をつけて60秒後の色の変化により、タンパク質、ブドウ糖、ケトン体、ビリルビン、潜血、pH、比重などが分かります。
当院ではこの試験紙を読み取る機械があるので、目視よりもより客観的に結果を出せます。
次に具体的な項目について説明します。
タンパク質は正常な尿ではほとんど出ませんが、腎臓の機能が低下していたり、糖尿病だったり、泌尿器系のどこかで腫瘍炎症があると出てきます。
ブドウ糖も正常な尿では出てきませんが、糖尿病急性腎不全で出てきます。
ケトン体も正常では出てこず、糖尿病飢餓の際に出てきます。
ビリルビンは犬では健康な状態でも認められる場合がありますが、猫では通常認められません。高値の場合は溶血肝疾患が疑われます。
潜血は尿に血の成分が混ざることで現れます。膀胱炎や、結石、泌尿器系や生殖器系での腫瘍炎症、溶血などの指標となります。肉眼的に血尿ではなくても、この検査で血が混ざっているか判断することができます。
pHは正常の犬猫では5.5〜7.5です。これは食事により大きく変わります。植物性の食事ではpHは上昇し、動物性や高タンパクの食事ではpHは下がります。また膀胱炎でもpHは上昇します。pHが正常範囲から逸脱することで、結石が形成されます。
比重は尿の濃さを示します。低値の場合は腎不全糖尿病ホルモン異常などによる多尿の可能性があります。
⑵顕微鏡検査について
顕微鏡で尿を見ることで、尿中の結晶、細菌、白血球、赤血球などを確認します。
結晶は尿石症の指標となります。様々な結晶がありますが、主にpHが高値の時にはストラバイト(三リン酸塩結晶)、低値の時にはシュウ酸カルシウム結晶が見られます。以下の写真はストラバイトです。
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細菌は正常では見られませんが、泌尿器系や生殖器系の感染症の場合見られることがあります。この場合、同時に白血球も見られます。
赤血球尿石症や、膀胱炎などの泌尿器系や生殖器系での炎症腫瘍などで見られます。
以上のように尿検査だけでこれ程多くの情報を得ることが出来ます。泌尿器系、生殖器系だけでなく、肝臓や、ホルモンの異常なども早期に見つけられるかもしれませんので、健康そうな場合でも一度検査してみましょう。その場合、動物を連れてこないで尿だけ持ってきていただいても構いません。ただしすぐに持ってこれない場合は冷蔵庫にて保管してください。
ちなみに我が家の愛犬のモコは過去にシュウ酸カルシウムができて、結石摘出の手術をしました。今も月に一度は尿検査をして、結晶が出ていないかを確認しています。

獣医師 梶村

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