検査

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X線検査の読影について

獣医師の梶村です。

X線検査は主に胸部(心臓、肺、気管など)、腹部(肝臓、腎臓、脾臓、腸、膀胱など)、骨(脊椎、前肢、後肢など)、関節(膝など)などを精査するために行います。
撮影した画像を評価して、診断に有用な情報を集めることを読影といいます。
今回はX線検査の読影について簡潔に説明します。

⑴ 胸部
正常
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心臓の肥大
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心臓が大きくなって、気管を押しています。
これにより咳が誘発されます。

気管虚脱
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気管が細くなっています。
これも咳が出ます。

胸水 
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肺野が白濁しているのと、正常では見られない葉間裂
がみられます。
呼吸促迫、呼吸困難などの症状が現れます。

⑵腹部
正常
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膀胱結石
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膀胱内に結石がみられます。
これにより血尿や尿道閉塞が起こりえます。

胃拡張
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胃拡張は閉塞や呼吸困難から空気を飲み込むことなどで起こります。
過剰に膨れている場合は胃に針を刺して、空気を抜いてあげることもあります。

⑶骨
骨折
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橈骨と尺骨が折れています。

骨肉腫
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薄く白くなっているのが腫瘍で、その中の骨が融解しています。
症状としては跛行や痛みが伴います。

上記以外にもX線で分かる様々な病気があるのですが、今回はその一部を紹介しました。
X線検査の画像には個体差があるので、正常な時に撮影しておくことで、異常な時の画像と見比べることもできます。
健康診断で撮っておくことは非常に有益なので、ご希望の際はお声掛けください。

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骨折や脱臼を防ぐために机やテーブルの上に登らせないでください!
モコもよく登ってしまいますが・・・

獣医師 梶村

かもがわ動物クリニック