犬
元気がない、ぐったり/食欲がない/嘔吐・吐出/水をよく飲む、尿が薄い
生殖器科/外科
犬の子宮蓄膿症

動物 | 犬 |
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種類 | ミニチュア・ピンシャー |
性別 | 未避妊雌 |
年齢 | 12歳2ヶ月 |
地域 | 京都市東山区 |
症状/病態 | お腹が張っている(腹囲膨満)、子宮腫脹 |
考えられる病気 | 子宮蓄膿症、子宮水腫、子宮腫瘍 |
4.5日前から元気食欲の低下があり、他院で検査した結果、子宮蓄膿症疑いとのことで、紹介来院されました。
触診で腹部の張りを認め、腹部エコー検査にて子宮内に多量の液体を認めました。
また、血液検査では腎臓の数値(BUN.CRE.IP)の上昇、急性の炎症マーカーの(CRP)の重度上昇、中等度の貧血を認めました。
以上の結果から、子宮蓄膿症による急性腎障害を引き起こしている状態と判断しました。
1日静脈点滴、抗生剤の投与を行い、腎臓の数値が低下したことを確認し、子宮と卵巣を摘出する手術を実施しました。
以下手術の写真となります。(苦手な方はご注意ください)
お腹を開けると、すぐに大きく腫大した子宮が確認できました。(黒矢印で示したところが子宮です)
まず両方の卵巣動静脈をソノサージという機械を用いて切断し、その後子宮動静脈を吸収糸で結紮し切断しました。摘出した子宮・卵巣は1.3kgもありました。
手術により子宮と卵巣を摘出した後は、腎数値・炎症の値も日に日に低下し、食欲元気も改善傾向であったため、手術5日後に退院しました。
その後も体調問題なく元気に過ごしてくれています。
子宮蓄膿症は未避妊の女の子にとても多い疾患です。
治療開始のタイミングが遅れるだけで、命に関わります。
もし当てはまる症状やご質問などあれば当院までご相談ください。