本日の一症例

口の中のできもの

腫瘍科(ガン)/外科

低悪性度口腔内メラノーマ(軟口蓋切除)

動物
種類 ミニチュアダックスフンド
性別
年齢 13歳
地域 奈良市
症状/病態 口の中のしこり
考えられる病気 炎症、腫瘍(メラノーマ(高悪性度・低悪性度)、扁平上皮癌、歯源性腫瘍など)

口の中にしこりがあるとのことで来院されました。

しこりは口の奥の方の軟口蓋から発生しており、針生検(細い針をさして細胞を採取する検査)では細胞が採取されなかったため、組織生検を実施しました。

組織生検前(赤丸が腫瘍)

 

組織生検後(赤丸)

 

病理診断は低悪性度メラノーマでした。CT検査で骨への浸潤や転移が認められなかったため、手術を行うことで年単位の長期生存が期待できる旨をお伝えし、手術を行うこととしました。

予定どおり腫瘍を切除しましたが、切除後開いた穴をそのまま塞ぐことができなかったため、頬の粘膜を利用して切除部位を閉鎖しました。

以下手術時の写真となります。

 

 

手術前

 

腫瘍切除後

 

閉鎖後

 

病理診断は組織生検と同様、低悪性度メラノーマでした。手術後も大きな問題はなく、元気に過ごしてくれています。報告によると低悪性度メラノーマの生存期間中央値は約3年ですが、まれに再発や転移する症例もいるため、今後は定期的に再発や転移の検査を行なっていく予定です。

診断名

犬の低悪性度口腔内メラノーマ