犬
口の中のできもの
腫瘍科(ガン)/外科
犬の口腔内メラノーマ(下顎骨片側全切除)

| 動物 | 犬 |
|---|---|
| 種類 | トイ・プードル |
| 性別 | 避妊雌 |
| 年齢 | 15歳 |
| 地域 | 京都市左京区 |
| 症状/病態 | 口の中の腫瘤(しこり) |
| 考えられる病気 | 炎症、腫瘍(メラノーマ(高悪性度・低悪性度)、扁平上皮癌、歯源性腫瘍など) |
口の中に腫瘤(しこり)があるとのことで来院されました。

腫瘤は右の下顎骨の歯肉から発生していました。
針生検(細い針をさして細胞を採取する検査)ではメラニン顆粒を含む細胞が採取されたため、悪性黒色腫と診断しました。
CT検査では骨の中へ広範囲に浸潤していたため、右の下顎骨を全部切除する必要がありました。
※口腔内メラノーマは粘膜や骨への浸潤が強いため、腫瘍のみを切除するだけでは再発する可能性が極めて高いため、骨を含めた手術を行う必要があります。
骨を切り取る手術は、「痛そう」、「見た目が変わりそう」、「食べられなくなりそう」など様々な理由によりなかなか受け入れ難い手術ですが、痛みに関しては手術後数日程度であり、適切な痛み止めにより多くの動物が許容できる程度の痛みです。
片側の下顎骨を全部切除すると見た目が変わることがありますが、多くの方が受け入れることができます(当院では手術前にどのような見た目になるのかあらかじめ写真などでご説明しております)。
また、時間がかかることもありますが、多くのわんちゃんが手術をしてもご飯を食べることができるようになります。
一方、手術をせずにそのまま放置しておくと、痛みが強くなり、見た目も変わり、最終的には口からご飯を食べることができなくなってしまいます。
当院ではこのようなことを手術前にご家族にしっかり説明し、手術を行うかどうか考えてもらうようにしています。
以上の内容をご説明し、ご家族と相談した結果、手術を行うこととしました。
以下、手術時の写真となります。苦手な方はご注意ください。
(写真はご家族のご承諾のもとあげさせていただいております)

腫瘍(赤丸)から1cm程度離れた周囲の正常な粘膜と骨を一緒に切除する計画を立てました

下顎骨に入る血管(青矢印)を確認し、処理します

摘出後の写真です

縫合後の写真です

術後の写真です。右の下顎骨を全部切除したので、舌が右側に垂れ下がっています。
このわんちゃんは痛みから解放され、時間はかかりましたが、その後自分でご飯を食べることができるようになりました。
病理診断はメラノーマで、完全に切除できており、リンパ節にも転移は認められませんでした。
メラノーマは転移率の高い腫瘍ですので、転移をできるだけ予防するためにメラノーマワクチンを投与し、経過をみていく予定です。
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