本日の一症例

乳腺のできもの

腫瘍科(ガン)/外科

猫の乳腺腫瘍(乳癌)

動物
種類 日本猫
性別 未避妊雌
年齢 13歳
地域 京都市
症状/病態 乳腺のできもの
考えられる病気 乳腺癌、乳腺過形成など

乳腺にできものがあるとのことで来院しました。

できものは右第二乳腺(4cm)、右第三乳腺(0.5cm)に認められ、その他の部位にも小さいできものが認められました。

針生検の結果、乳腺癌が疑われました。

また、CT検査の結果、腋窩・副腋窩リンパ節が腫大しており、転移が疑われました(赤矢印)。

そのため、ご家族と相談し、右側の乳腺全切除とリンパ節の切除を行うこととしました。

以下、手術の写真となります。苦手な方はご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皮膚切開の位置を決めるため、あらかじめマーキングしておきます(写真の左側が動物の頭側になります)。

 

皮膚を切開後、乳腺を切除していきます(赤矢印)。

乳腺から頭側に走行する血管(青矢印)沿いにリンパ節があリます。

 

CTでみたとおり、血管沿いに4個のリンパ節が腫大しており、すべて摘出しました(青矢印)。

 

切除後は縫合して終了です。

 

手術は無事終了し、術後3日目で退院しました。

病理検査は乳腺癌であり、上記のリンパ節(腋窩・副腋窩リンパ節)だけでなく、副鼠径リンパ節にも転移が認められました。

現在、状態は良好ですが、今後他のリンパ節や肺へ転移する可能性があるため、分子標的薬による治療を行っていく予定です。

 

当院では、獣医腫瘍科認定医による腫瘍科専門外来を行なっております。

詳細は下記のリンクをご参照ください。

https://www.kamogawa-ac.jp/cancer-treatment-specialty/

診断名

猫の乳腺腫瘍(乳癌)