本日の一症例

血尿、尿が出ない

外科

猫の尿道閉塞(会陰尿道瘻)

動物
種類 日本猫
性別
年齢 2歳
地域 京都市
症状/病態 元気食欲低下、嘔吐、排尿痛
考えられる病気 膀胱炎、膀胱結石、尿道閉塞

元気食欲低下、嘔吐、排尿痛を主訴に来院され、身体検査で拡張した膀胱が触知されたため、尿道閉塞が疑われました。

血液検査で腎数値の上昇もみられ、状態が芳しくありませんでしたが、まずは尿道閉塞の解除を行い、状態を改善させました。

その後、本症例は2回目の尿道閉塞であり、その後も再発する可能性があったため、手術が必要となる可能性をお伝えし、手術を行うこととしました。

猫の尿道閉塞の手術は会陰尿道瘻と言われ、陰茎付近の尿道は細いため、その部分を切除し、膀胱付近の比較的太い尿道を出口に開口する手術になります。

この手術には様々な方法が報告されていますが、当院では以下の論文を参考に見た目をできるだけ変えないような方法で手術をしています。

Modified perineal urethrostomy using preputial mucosa in cats.

以下、手術時の写真となります。苦手な方はご注意ください。

 

 

 

 

 

 

手術前の写真です。陰茎から肛門周囲まで十分に毛を刈り、消毒します。

陰茎を包んでいる包皮の粘膜(青丸)から陰茎(赤丸)を剥がします。

尿道を周囲の筋肉や脂肪から剥がしていき、膀胱付近の尿道まで見えるようにします。

その後、陰茎付近の尿道を切除し、包皮の粘膜と縫合します。

手術後の外観です。

手術は無事終了し、術後順調に排尿も見られ、術後3日目で退院することができました。退院後も尿は出ており、体調にも問題はありません。

診断名

猫の尿道閉塞