本日の一症例

元気がない、ぐったり/食欲がない/口が臭い、口を触るのを嫌がる

歯科(歯の病気)/猫科(猫の病気)

猫の歯肉口内炎

動物
種類 雑種
性別 オス
年齢 推定6歳
地域 京都市北区
症状/病態 食欲がない、涎が出る、口を痛がる
考えられる病気 歯肉口内炎、歯周病、口腔内腫瘍など

1週間前から食欲、元気がなくなり、涎が出るとのことで来院されました。

身体検査では軽度の下顎リンパ節の腫れが確認され、口臭、歯周病は認められましたが、口腔内の詳細な確認はできませんでした。

身体検査に加え、猫エイズ、猫白血病の検査を含めた血液検査、レントゲン検査、心臓のエコー検査などを行いましたが明らかな異常は見られませんでした。

以上のことから、口腔内に原因があると考え、全身麻酔下での口腔内精査を実施しました。以下、手術時の写真が続きますので、苦手な方はご注意下さい。

上記の写真のように、尾側の口内炎がひどく、赤く腫れ上がっていました。(青いところ)

また、上記の写真のように部分的に歯周病もみられました。(オレンジのところ)

この猫ちゃんは口内炎が重度だったため、口腔内微生物の温床を取り除くため全臼歯抜歯を実施することになりました。

上記の写真は抜歯を行った後です。

こちらは縫合した後です。

1度の麻酔処置で行うと麻酔時間が長時間になってしまうため、上顎と下顎で2回に分けて全臼歯抜歯を行いました。

上顎の臼歯抜歯を行ってから、2週間開けて下顎の臼歯抜歯を行いました。

その後は元気も食欲もすっかり戻り、お口も以前より見せてくれるようになりました。

もう少し口を触ることに慣れてくれたら、今後は口に塗るインターフェロン製剤や、口腔内善玉菌のサプリメントなどを開始し、再発防止に努めていく予定です。