本日の一症例

歯並びが悪い、噛み合わせが悪い/口が臭い、口を触るのを嫌がる

歯科(歯の病気)

猫の若齢性歯周炎・乳歯遺残

動物
種類 雑種
性別 オス
年齢 6ヶ月
地域 京都市左京区
症状/病態 口臭がひどい
考えられる病気 若齢性歯周炎、歯肉口内炎、乳歯遺残

去勢手術のご相談で来院された猫ちゃんですが、身体検査で左下顎の臼歯部分に歯周炎が見つかりました。

飼い主様にお家での様子を聞くと、若いのに口臭がひどく、フードを食べる際に口を痛そうに擦る様子が度々見られるとのことでした。

生後6ヶ月という年齢で歯周炎は珍しいですが、この猫ちゃんは猫エイズウイルス陽性であったため、歯周炎や歯肉口内炎を発症するリスクが高いと考えられます。

放置すると他の部分でも歯周炎が進行する可能性が高いため、去勢手術の時に麻酔下歯科処置も一緒に実施することとなりました。

 

 

左下顎の臼歯部分に茶色い歯垢がたまり、口臭の元になっていました。

この第二前臼歯という歯の乳歯が抜け切らず遺残し、後ろに生えてきている永久歯との間に歯垢が溜まったことが、歯周炎の原因と考えられます。

乳歯を抜歯し、超音波スケーラーでクリーニングを行うと、次の写真のように、後ろから綺麗な永久歯が見られました。

周りの歯肉は、歯周病菌によって赤く炎症を起こし、退縮しています。

術後はインターフェロン製剤や歯周病菌を抑えるサプリメントの使用と、歯磨きなどのホームケアによって、歯肉の炎症が改善するかどうか経過を見ていきます。

 

猫では乳歯遺残は稀ですが、遺残した乳歯は今回のように歯周炎の原因になってしまいます。

口臭が気になる、口を気にするなどの症状が見られた場合はお早めに獣医師にご相談ください。

 

 

 

 

診断名